この活動の裏舞台に、私は大きな意義を感じています。保健福祉センターのスタジオで、高齢者に向けて元気にzoom発信をしてくれているSDGsジュニア・リーダーの子供たち。自分たちで、フラダンスの振り付けを考え「かわいいね!」「自分たちで、振り付けを考えたなんてスゴいね!」と褒められ満面の笑顔!そんな派手な舞台裏で、コツコツと園芸療法に使うポプリを作ってくれている子供たちの姿。陰で支えてくれているボランティアさんの姿。その中には、不登校や、長年の引きこもりから何とかして社会復帰しようと頑張っている姿があります。そんな姿こそ暖かく見守り、応援したい… **************************************************************************************** 今月は、不登校の女の子(Kちゃん)にポプリ作りを手伝ってもらいました。発端は、 Kちゃんのお母さんから「娘が、どうしてもスクールカウンセリングを受けたくないと 言っています。」との相談を受けたことです。私は不登校やいじめの問題で、『どうやっ たら学校に行けるか』を話し合ったり、加害者のお子さんにイジメを『止めるように指導 する』ことに、あまり効果がないと感じています。まず、イジメるお子さんは多くの場合 深刻な問題を抱えていて、ここにどう寄り添うかを模索しないと厳しい指導を入れてもイ ジメは止められません。そして、いじめられるお子さんや不登校のお子さんには、ダラ イ・ラマのお言葉を、最高の解決策として私はいつも取り組んでいます。
メディアでは、ほとんど報道されませんが、ダライ・ラマは何度も来日していて、千葉 では麗澤大学付属高校・中学校などで講演をしています。あるとき、不登校のお子さんが 「私はどうしても学校に行くことができません」とダライ・ラマに相談しました。ダライ・ ラマの答えは次のようなものでした。『視線を遠くに向けてごらん、すると大切なことが 見えてくる人類とか、平和とか』つまり、今日友達が自分に意地悪をしたとか無視したと か、日常生活の出来事から遠くへ視線を向けてごらん。そこには、戦争をしている国があ る。食べ物がなくて、飢え死にする子どもたちがいる。「私は、どうやったら幸せになれ るだろう?」ではなく、「あの不幸な人たちが、どうやったら幸せになるだろう?」と考 えてみてごらん。『人の幸せのために生きることが、自分自身の幸せを掴むことなので す』とダライ・ラマはその女の子に説いたのでした。具体的な解決策として、ダライ・ラ マは日本の若者や子どもたちにボランティアを勧めています。「日本の若者や子供たちは 非常に賢いので、たくさんのスキルやアイデアを持っている。それをボランティアに生か すことができる」とも言っています。実際この女の子はダライ・ラマの言葉に涙を流し、 ボランティアを通して平常な生活を取り戻していきます。
前置きが長くなってしまいましたが、私は相談を受けた不登校のKちゃんに「SDGsの 活動を一緒にやってみない?」と誘ってみました。今、コロナで高齢者が孤立しているこ と、そして孤独死がさらに増えていることを話しました。そこで『高齢者をzoomで繋ぐ プロジェクト』を立ち上げたこと。「一人ぼっちのおばあちゃんたちにポプリを作ってあ げたいんだけど、手伝ってもらえるだろうか?」と話すと、Kちゃんは「やりたい!」と のことでした。 私は、この三年間園芸療法のスペシャリストである千葉大学の岩崎寛先生と一緒にプロ ジェクトを進めさせていただくことで、多くのことを学ばせていただきました。草花が人 に与える『癒し』です。実際、草花とのふれあいで多くの人が元気になっていく姿を見て きました。
今回、岩崎先生からご指導いただいたのは、蜜柑の皮で作るポプリです。また、シリカ ゲルを使って植物の色や香りを損なう事なくポプリを作る方法も教えていただきました。 8月は、お盆ということでお供えしたお花や果物の皮を使いまし た。本来廃棄される花や蜜柑の皮が、こんなにも美しく蘇ること に私自身も感動しました。Kちゃんもシリカゲルの中から、色鮮 やかな花が次々と出てくるのを、とても嬉しそうに眺め手に取っ ていました。これを今度はどんなふうにアレンジするか、Kちゃ んのワクワクする様子が伝わってきました。
「一人ぼっちのおばあちゃんが、元気になってくれたらいいな」 とポプリを作っていたKちゃんでしたが、気がつくと自分自身が幸 せな気持ちになっている... まさに、ダライ・ラマのお言葉の通 りでした。そして、まるで『心を浄化するような植物の力』に は、いつも驚かされます。
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