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執筆者の写真緑のきずなプロジェクト

ゴミ問題を含むレイズドベッド・プロジェクト(稲毛附属中アクティブ・ラーニング)

更新日:2023年4月26日

以下、令和2年7月20日(月曜日)市立稲毛高校附属中学校1年生 Zoom アクティブ・ラーニングの内容です。下記URLより、細かい活動の様子も見ることができます。




(1)【ゴミ問題を含むレイズドベッド・プロジェクト】

 今日は、皆さんに『ゴミ問題を含むレイズドベッド・プロジェクト』の説明をしたいと思います。このプロジェクトは、花見川区地域活性化支援事業にもなっています。ですから、花見川区から『ゴミ問題を含むレイズドベッド』の製作費が出ています。今まで、千葉市花園公園に8個のレイズド・ベッドを設置しました。今年も増設予定です。しかし、今年のレイズドベッド・プロジェクトには地域が抱えるゴミ問題が含まれています。ここが難しいところです。 どうやったら、不法投棄がなくなるか?『キレイな街になって欲しい』『キレイな公園になって欲しい』という思いをどう伝えるか? どう表現するか? 中学生の自由な発想とアイディアで市民の ハートを掴むようなレイズドベッドを企画・設計・デザインしていただけたら嬉しいです。

(2)【地域が抱えるゴミ問題と自治会が打ち出した解決策】

 地域では、壊れた自転車などの不法投棄の問題に頭を痛めてきました。今までは『不法投棄禁止』と立て札を立ててきましたが、効果はありませんでした。自治会の方々と話し合いを重ねる中「むしろ立て札が立ってからの方がゴミが増えたような気がする」という意見が出てきました。「もしかして、これは心理的問題なんじゃないか?」という意見です。例えば皆さんも、親からガツンと注意されたときに「うるさいな!」って思ったことはありませんか?「あれにちょっと似た気持ちが、ゴミを捨てる人に働くんじゃないか?」と私たちは考えました。

 『実際、千葉市でゴミ問題が解決した例はあるのでしょうか?』そのとき上がったのが、花見川区サイクリングロードの『千本桜』です。「あの、『千本桜』は、ゴミだらけのサイクリングロードをなんとかキレイにできないだろうかって、昔、長作の農家の人が夫婦で植えたと聞いているよ… 」こんな話が出たんです。「こんな桜のキレイなところにゴミは捨てられない」という気持ちが働いたのか、今ではすっかりゴミが無くなりました。

 また、サイクリングロードの別の場所に、不法投棄で困っている所があり、地域の方が、ゴミを撤去しお花を植えたら、そこには誰もゴミを捨てなくなったという例もあります。


 つまり、「禁止の立て札『捨てるな!』という威圧的な解決法ではなく、もっと人のハートを掴むような解決策を考えよう!」という結論に至ったのです。さて、『どんなデザインのもを作り、どんな言葉を付けたらいいんだろう?』ということになりますよね。そこで、『中学生のアイデアを借りよう!』という話になりました。『ゴミを捨てるのはやめよう』『この街を、キレイにしたい』『この公園を、キレイにしたい』と思わせるようなキャッチフレーズ! 皆さんならどんな言葉をつけますか? そしてどんなデザインにしますか? 例えば、コンピュータ グラフィックで描いたものをアクリル版にして、レイズドベッドに貼り付けるという方法があります。もちろんタイルなどに油性の塗料で手書きしてくれても構いません。オブジェみたいなものを取り入れてくれても構いません。皆さんの自由な発想とアイデアで、デザインを考えていただけたらと思います。


(例)

  それから、せっかくですので、元来の花園公園レイズドベッド・プロジェクトについてもお話ししたいと思います。

(3)【レイズドベッド・プロジェクトの特徴とミッション】

(ア)レイズド・ベッド と花壇の違い 

レイズド・ベッドは、車椅子の方や高齢者の方でも、無理なく作業できる作りになっています。(作業しやすい高さになっている)

(イ)特徴

~『この公園はキレイですね!』ではなく『この公園は使ってますね!

 『公園の草花は摘んではいけない!』というのが世間の常識ですが、花園公園レイズドベットのハーブには『見て、ふれて、香りを感じてください。気になったら、少し摘んでも良いですよ』というステッカーが貼ってあります。この文言は千葉大学の岩崎寛先生が考えたものですが、「そんなレイズ・ドベットを作ったら、みんなが全部ハーブを持って行っちゃってハーブがなくなっちゃうでしょ!」って皆さんは思いませんか?「そんなことないよ!」というのが岩崎先生の主張なんです。「日本人は、全部持っていったりはしません。2、3本摘んで、申し訳ないと思うのか、今度は、手入れをしてくれたりします。」と。そして、実際そうなっています。


(ウ)レイズドベッド・プロジェクトのミッション(目標や必要性)

  (A)高齢者の健康寿命を伸ばす

  (B)子供の健全育成

  (C)地域のコミュニティ作り

 (A)地域で最初に現れた変化は、高齢者の方が、ハーブを摘むのを楽しみに、公園まで散歩をするようになったことです。それから、高齢者の健康寿命を伸ばすのに、もう一つとても大事なこがあります。それは『人と話をする』ことです。私がハーブのお世話にいくと、必ず高齢者の方がやってきます。「水やり、お疲れ様です」とか、「ハーブ、綺麗に咲いてますね」とか。そこから始まって、昔の話とか。遠くに住んでる『ひ孫』の話とか。「いつも、お仏壇に一輪いただいてます。主人が亡くなって、もう20年になります」という方もいます。『寂しいんだな』っていつも思います。昔は大家族で、高齢者はみんなと一緒に暮らしていたに、本当に一人暮らしの高齢者が増えたことに心が痛みます。


・散歩をする

・話をする

・草花と触れ合う

 → 高齢者の方の健康寿命を伸ばす

(B)最近は、テレビ・スマホ育児で子供たちが五感を使う機会が減っています。

見て、ふれて、香りを感じて、摘むことにより、五感を使う機会を得ることができます。また、乳幼児を抱えるお母さんにとって、一日中『ダメ!』を言わなければならないのは、心が痛む問題です。乳幼児は関心があるから手を伸ばすわけですから。「公園の花はとっちゃダメだよ!でもこの公園のハーブは摘んでもいいよ!」と言えることから『何もかも全部ダメ!』じゃなくて、『いいよ!』と言ってあげる場も作る。レイズドベッドプロジェクトは、そんな役目も果たしています。

→ 子供の健全育成


(C)一緒に園芸作業をしたり、そこに集まる人が自然と話をしたり、最終的にそれが地域のコミュニティ作りにつながると、私たちは信じています。今、地域が空洞化しています。『ご近所』がなくなった一人ぼっちの育児。昔は考えられなかった『孤独死』の問題もあります。このプロジェクトがそうした問題の解決の糸口にもなってくれたら嬉しいです。

→地域のコミュニティ作り

 さて、話をまた元に戻すと、今年のレイズドベット・プロジェクトは、今お話したようなミッションのプロジェクトに、さらに地域のゴミ問題を加えなければなりません。最終的には、皆さんのアイデアやデザインを、株式会社菊池建設さん https://www.kikuchi-kensetsu.co.jp/ に見ていただき、会社とよく話し合い、完成させたいと思います。そして皆さんが考案したレイズドベッド を実際作ってくださるのは、後期高齢者の方です。つまり、会社が、生涯現役を目指す後期高齢者の方をサポートしているんですね。『会社が公害や騒音などで地域に迷惑をかけるのではなく、地域に寄り添う姿勢』 これって大事ですよね!『こんな、仕組みもあるんだって』っていうことも、合わせて知っていただけたら幸いです。

ゴミ問題を含むレイズドベッド・プロジェクト』の概要、ご理解いただけたでしょうか?

*下記ファイルは、レイズドベッド設置場所と緑地事務所からの注意事項です。


*千葉大学 准教授 岩崎寛先生が、NHKテキスト趣味の園芸で、園芸療法を連載しています。ぜひご覧ください。ネットでも紹介されています。

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